春のお彼岸が始まりました。暑さ寒さも彼岸までというように境内では、春の花が咲いています。今日も朝早くからお墓参りのお檀家さんがお見えになりました。お彼岸の期間は年二回あり、春分と秋分の日を中日としてはさみ、彼岸の入りから明けまでの前後3日間(一週間)になります。お彼岸中は仏教徒として普段以上に精進努力した生活を送り、よく戒律を守り、自己を修養し、功徳を積むための期間です。その中で先祖を偲び・敬い、お墓参りやお塔婆を建てて故人の冥福を祈ります。それらの行いが善行となり功徳を生み、そのご利益が他に手向けられて行きます。お彼岸とはただお墓参りをするだけの期間ではありません。
彼岸とは昔のインドの言葉で「パーラミター」波羅密の漢訳である到彼岸を意味します。到彼岸とはむこう側の世界(仏・悟りの世界)、反対にこちら側の世界(苦しみ・迷い・悩みの世界)を指します。またお釈迦さまが説いた貪瞋痴を三毒といい「むさぼりの心」「いかりの心」「おろかな心」を指し、その心を捨て彼岸へわたる六波羅密「布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧」の教えを実践する修行の期間です。
お彼岸は、先祖を敬い、仏の教えに従って生活をすることを再確認するための期間であり、次の世代に受け継がれるように、ご家族皆様でお墓参りをすることが大切です。