ご本堂新築工事も大詰めを迎えたため、進行状況をお届けするホームページの更新がなかなか出来ませんでしたが、お陰様を持ちましてご本堂はほぼ完成し、欄間四枚に大日如来尊像一軀、佛具数点及び外構工事を残すのみとなりました。5月3日の落慶式を迎えるまで、順次更新して行きたいと思います。
ご本尊様を安置する場所、【須弥壇】(しゅみだん)が組まれました。
以前の旧本堂は本式の須弥壇ではなく、略式の檀に宮殿を置きその中にご本尊様を安置しておりました。本来、須弥壇はご本堂の一部であり、大工仕事だったそうです。大手の翠雲堂さんも本は社寺建設で須弥壇作りから荘厳佛具会社として立ち上がっているそうです。(現在も建築を手掛けております)翠雲堂さんやその他の佛具屋さんも素晴らしい須弥壇を手掛けておりますが、当山の須弥壇は中村先生がご本堂と一体構造で設計して下さり、その丸柱から須弥壇の一部が突き出しているような特別なデザインになっております。当山のご本堂を建設している助政建設も須弥壇作りには定評が有り、数多く手がけております。その助政建設の大工さんが、石川県の珠洲市の工場で丹精込めて人の背丈ほどもある大きな須弥壇を作成して下さいました。当山のご本堂の外陣の天井は船底天井になっており、通常の天井よりはるかに高くなっております。内陣の天井も折り上げ天井になっておりますが、住職の要望でその外陣よりさらに内陣の天井がさらに高くなっております。中村先生が一段高くなるように当初の図面に変更を加えて下さり、内陣の枡組を二段にしその格式をより高めて下さいました。その結果、木造の六間四面のご本堂とは思えないほどの内陣天井の高さを得ることが出来ました。旧本堂落慶時に奉納された当山の宮殿は、京都の老舗荘厳佛具の田中伊雅のものであり、大変立派なためその宮殿の屋根が旧本堂の天井まで届いていました。しかし新しい須弥壇と内陣はこの宮殿を基に設計されており、そのため人の背丈ほどもある大変立派な須弥壇を納めて頂く事が出来ました。
これは須弥壇作成にあたり、いつもの大工さんに加え、須弥壇専門の方がみえて寸法や、高さ、丸柱の形状を等の実寸法を測っているところです。
その後、内装工事が終わる頃に須弥壇を搬入し組み立て作業が行われました。
須弥壇は何段もの枠上の部材に分かれており、その一つ一つを職人さんが慎重にに重ねていき組み立てられていきました。
立派な須弥壇が組み上がりました。その上に御本尊様が安置される宮殿が乗せられます。以前の本堂に比べると、御本尊様が安置される位置がかなり高い位置になります。
その後9月下旬に、以前にご紹介しました400年の歴史を持つ浅草の土屋金物さんから連絡がありました。この工房で手掛けていただいた飾り金物は、中村先生のオリジナルの物です。先生の図案を職人さんが手作りで打ち上げ、丁寧に漆で金箔を貼った、大変凝っていて特別なものに仕上がりました。これをご本堂で丁寧に須弥壇に施していきました。須弥壇のみでなく内陣左右の脇の間の壇や内陣の両大師の壇にも施されていきご本堂がビックリするほど豪華で艶やかに彩られました。たくさんの方々のご協力で、ご本堂の外観に負けない空間が完成するのが益々期待され所で御座います。