9月の瓦葺き工事も順調に進み、平瓦と平瓦の間に丸瓦を葺いて本葺きに成って行きます。きれいな曲線が出る様に、丸瓦も一枚一枚歪みを測定し、漆喰を使い調整しながら丁寧に葺いて行きます。現代の漆喰はシリコン入りで防水効果もあり大変長持ち致します。「美濃瓦は1,200度の高温で焼き上げるため、歪みが有り瓦屋泣かせだ」と、おっしゃっておりました。いつも下から見上げていましたが、お忙しいところお願いして上から写真を撮って頂きました。写真一枚目と三枚目は正面の大降り(おおくだり)です。この部分が一番雨漏りが起こりやすく、雨水が入り込むと、瓦の下の野地板が傷んでしまいます。大降りは勾配がだんだん緩く成って行きますので、瓦に雨の返しが有っても雨水が入り込む(雨の流れが急に抑えられるため)ため、瓦と防水シートの間に10尺程の銅板を入れ、さらに軒先の瓦は二尺の「長びら」と言う瓦で重なる部分を倍の長さにし、それを防いでおります。ここまで念入りに施工して頂ける瓦屋さんは、めったにないそうです。
「瓦屋根が百年間葺きつづく様に、魂を込めて作業をしています。」大窪瓦店談
本堂工事進行状況は瓦工事を中心に更新しておりますが、大工さんも毎日朝早くから来て作業をして下さっています。工場での内部の造作物の作成や、現場での剛天井張り、建具の上に入る長押(なげし)の施工、本堂外側の壁「下見壁」の施工をしたりしております。また改めてご報告させて頂きます。