岐阜県から翌日、次の視察場所富山県井波に車で数時間かけて移動しました。前回の彫刻検査よりもだいぶ進んでおりました。福寿院のご本堂の虹梁のすべてに彫刻が施されますので、建方までもう少し時間がかかります。しかも、すべての虹梁の下側には「錫杖」(しゃくじょう)といって仏様が持っている佛具、特に地蔵菩薩様が魔を払うためにお持ちになっている杖のことで、その彫刻を施しております。この彫刻は造りが大変凝っているご本堂でも向拝の下側の一か所くらいで、まずめったにここまでの彫刻の入ったご本堂はないそうです。完成すると虹梁の側面のうつくしい彫刻と、真下から見上げた時に錫杖の彫刻を見ることができ、その下を通ることにより「お地蔵様のご利益」を頂くことができます。
富山県の澤氏の工場内は、木の割れや温度変化を防ぐために、とても寒い中職人の方々が作業をしておりました。ご来寺の檀家さんが「基礎工事から進んでいない」と心配されますが、福寿院のご本堂に携わる職人さんの方々が、毎日素晴らしい技術で心を込めて制作しておりますので、どうぞご安心して頂き楽しみにして下さい。