連日の猛暑の中、瓦屋さんは屋根の上で黙々と作業をしています。屋根には縦浅木・横浅木が等間隔で美しく施工されました。以前の本堂は下地に土を使い瓦をのせていましたが現在は土は使わないそうで、シックイ工法により雨水の浸入を防ぎます。屋根全体の重さは、従来の工法の約三分の一の重さになるそうです。しかし軽くなると言っても福寿院に使う瓦屋根の重さはどれ位なのか、瓦屋さんに伺ってみました。
瓦1枚の重量は約4㎏、使用する枚数は14,600枚、シックイの重さは6t375㎏、下地に使用する材木は1,020本で1本当り3㎏ すべての資材を合計すると屋根の総重量は何と67t835㎏だそうです。当山のご本堂の柱は、一尺の太さの丸柱を20本以上使用し、屋根の構造は伝統的な和小屋造りであり、桔木には強度の高い松の野地丸太が40本以上使用されているため、この3倍以上の重さでも十分に耐え受けます。
(写真中)は丸瓦と平瓦を組にしたものです。平瓦を浅木にはめ込み、すき間に丸瓦をつけ動かないようにするそうです。
そして瓦屋さんに瓦葺きで難しい所、そして大事にしている事はどんなことですかと質問してみました。
「瓦の葺き方で屋根の曲線に違いがでるので、美しい曲線を出すように心がけ、100年後に葺き直すまで葺き続く屋根に魂を込めて作業をしている。」とおっしゃっていました。瓦葺きは炎天下の中、9月下旬までかかります。