本堂建立記録

   
 平成26年3月に、東日本大震災による屋根裏床下等の未調査部分の被害もふまえ、ご本堂全体の現状調査を実施いたしました。国の発表に基づき東海大震災・東南海・南海連動型地震に備え、また瓦も寿命をむかえておりますので、当初は修繕改修及び耐震施工を行う予定でございました。大手建設会社二社に調査を依頼したところ、被災部分も多数発見されましたが、それどころか耐震施工を施しても十分ではなく、その後五十年から六十年で建替えを余儀なくされる可能性があり、今後予想される大地震での倒壊の恐れさえも指摘される結果が出されました。ご本尊様をお守り頂くためにも、また当山にご法要・参拝・墓参等のためにご来寺される檀信徒の皆様の安全の確保のためにも、役員会に於いて厳粛に審議した結果、ご本堂を建替えることと決定いたしました。
 
 
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いよいよ瓦葺きが始まります 7月
岐阜県の美濃瓦工場より大量の瓦が搬入されました。写真はまだ一部ですが、なんと全部でトラック7台分の瓦が運ばれるそうです。そしていよいよ瓦を葺き始めるため屋根に黒いシート(ルーフィング)が張りめぐらされました。これで雨の心配はなくなりました。
 
上棟式のその後
2016-07-11
上棟式が終わり次の日、屋根の上に飾られていた幣串が屋根裏(写真左)に収められました。上棟式までは、丸柱や紅梁の彫刻には紙のシートが覆いかぶさっていましたが、上棟式のためにそれらのシートが全て外されました。まだほんのの少しですが、設計士の中村先生の原画に基づいて彫られた、井波彫刻を見ることができます。(写真中)は向拝の鼻木の部分で、通常の大工職人が彫る筋彫り(すじぼり)だけのものとは違い、本格的な彫刻が堀士の澤先生によって、より深く立体的に彫られているのが分かります。(写真右)は向拝虹梁の素晴らしい彫刻の中に、なんと束が二本組み込まれ、格式をより一層高めており、中村詔雄先生の技法の深さを見うけることができます。これらはまだほんの一部であり、建築が進行するにつれ、様々な装飾があちこちに施されていきますので、どうぞご期待ください。
 
上棟式 ②
2016-07-09
今回当山の上棟式ではご参列の皆様に「散銭・散餅」の儀式で特別にあしらった福銭と紅白のお餅を記念にお持ち帰り頂きました。最近では散銭に使うお金は新品の五円玉を紅白のひもで飾った物が使用されますが、当山ではより記念になる様に特注致しました。施工業者の方も最近ではほとんど見ないと言っておられました。
上棟式が終了する頃には降り続いた雨も上がり太陽が見えて来ました。屋根の上に三本の幣串の飾りがなびいています。ご法要では上棟式を迎えられた事に対し感謝を捧げ、無事事故なく落慶を迎える事ができる様にご祈願致しました。今後ともご理解ご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます。合掌
 
上棟式
2016-07-09
平成28年7月9日午後2時より、上棟式が厳粛に執り行われました。あいにくの雨模様でしたが、佛教では雨はお釈迦様の誕生も甘露の雨がっ降ったとされ、大変おめでたいとされます。寺院によく龍の彫り物や佛具が有るのは、木造のご本堂を雨を降らす龍によって御加護されることを意味します。当日は雨にも関わらず多くの檀信徒の皆様やご近所の方々でご本堂は満席になり、たくさんの方々にご参拝・お焼香を賜りました。 
上棟式は法要から始められ続いて「工匠式」が執り行われました。工匠式は伝統的な儀式であり、本来屋根の上に登って行いますが、雨の為に本堂内で行うことになりました。総勢10名の工匠(熟練した技術の大工職人)の方々が緊張した面持で臨み、厳粛に儀式が行われました。内容は以下の通りです。
【三器奉酋 さんきほうしゅう】(墨差、曲尺、釿の三つの道具で仏前に水の字を作り供え、工事の安全を祈願する儀式)【棟木納之儀 むなぎおさめのぎ】(参列者皆様に紅白の綱を掛け声と共に引いて棟木を引き上げる儀式)【槌打之儀 つちうちのぎ】(棟に大工が上がり掛け声と共にカケヤで叩き棟木を納める儀式)
【四方固之儀 しほうがためのぎ】(本堂四隅より散銭・散餅を行う儀式)
棟木納之儀では、参列者の皆様に紅白の綱を引いて頂きました。これは、ご本堂建立にあたり、実際に建立にご自信が参加したことになります。当山のご本堂は一尺の天然の檜の丸柱を使用する為数百年建ち誇ることが期待され、その時代に居合わせている私たちのみがご本堂建立に携わることができ、檀家信徒の皆様末代までご利益が手向けられるとされます。たくさんの出席者と関係者各位のお陰様を持ちまして、上棟式無魔成満致しました。ここに改めて御礼申し上げます。合掌
 
 
 
 
床張り
2016-07-08
上棟式を迎えるのに備えて,床の施工が始まりました。当山は式が梅雨の時期に当たる事と、ご本堂正面が狭い為、床張と屋根の野地板張りが終了してから上棟式を行うことに致しました。一般家屋では布基礎の中で式が行われますが、基礎が高く危険な事と、ご出席者の人数も考え床が張られたご本堂の中で行います。実際の棟が上がってから多少時間が経過していますが、こう言った形は珍しくないようです。(写真左)は「束石」と「床束」です。(写真中)は「大引き」「根太」、(写真右)は太い「足固め」と断熱材が見られます。彫刻の施工の関係で、一ヶ月半程工期が遅れ、上棟式が梅雨の時期になってしまったので、雨に備え屋根に野地板が張られた状態で上棟式を迎えます。最終的には工期もお追いつく予定ですのでどうぞご安心ください。
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