本堂建立記録

   
 平成26年3月に、東日本大震災による屋根裏床下等の未調査部分の被害もふまえ、ご本堂全体の現状調査を実施いたしました。国の発表に基づき東海大震災・東南海・南海連動型地震に備え、また瓦も寿命をむかえておりますので、当初は修繕改修及び耐震施工を行う予定でございました。大手建設会社二社に調査を依頼したところ、被災部分も多数発見されましたが、それどころか耐震施工を施しても十分ではなく、その後五十年から六十年で建替えを余儀なくされる可能性があり、今後予想される大地震での倒壊の恐れさえも指摘される結果が出されました。ご本尊様をお守り頂くためにも、また当山にご法要・参拝・墓参等のためにご来寺される檀信徒の皆様の安全の確保のためにも、役員会に於いて厳粛に審議した結果、ご本堂を建替えることと決定いたしました。
 
 
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石のはなし
2016-06-26
今回、当山の本堂に使う向拝柱をのせる沓石(くついし)は甲州小松石を使用する事になりました。甲州小松石は山梨県甲州市の北西の山で古くから採石していて、現在は極わずかな採掘量のため市場にはなかなか出回らないため、とても貴重で高価な石材です。本小松はやわらかく甲州小松の方が強度があり建築の部材には向いているそうです。向拝柱と共に参拝の方が常に目にするところですので、きめの細かく美しい石がより一層ご本堂を引き立てる事と思いますので、どうぞご期待ください。
 
丸太の行方
2016-06-23
 早朝、クレーン車がやってきました。この日は屋根の部分の桔木(はねぎ)入れの工事です。桔木は屋根の軒先の下がり防止に設けるとても重要な部材です。駐車場に置かれていたので、お檀家の方に「この大きな丸太はいったい何に使うのですか?」と、何度か尋ねられました。そしてこの大きくて太い松の野地丸太が、大型のクレーン車で一本一本慎重に吊り上げられ屋根に運ばれていきました。これは長く突き出る軒先を支えるために平安時代以降に土居桁もしくは桔木枕を支点に設置される様になった水平部材です。これにより地垂木(じたるき)・化粧垂木は屋根の荷重を支える役目はなくなり、化粧材として納まる様になったそうです。太くて大きな丸太が、瓦屋根を支えるために40本以上、数日間かけて無事に納まりました。
 
屋根の部分まで進みました
2016-06-11
前回の掲載から10日以上がたちました。職人の方々も通常の倍の人数で作業をしているので、建築の方も順調に進み(写真左)屋根もだいぶ出来上がりました。毎日一生懸命に仕事に励んで下さっております。すでに関東は梅雨入りしておりますので、(写真中)屋根にブルーシートを掛けながら大切な柱や虹梁にしみが付かないように、気を使って作業をして下さっています。大分進んできましたので、参拝にいらっしゃった方々も貴重な木造建築に感動して、「すごい本堂だ」「素晴らしいご本堂だ。」と喜んで下さっております。(写真右)丸柱が並んだ迫力がお分かり頂けますでしょうか?向拝の建築の際、一部素晴らしい彫刻を見ることが出来ましたが、柱や彫刻には紙や毛布で保護がされているので、まだ柱の木目や彫刻は普段あまり目にすることはできませんが、どうぞご期待して下さい。
 
指母屋まで進みました
2016-05-30
 5月30日、桁、梁も組み上がり、妻虹梁(つまこうりょう)指母屋₍さしもや)の組み上げと、奈良時代以降賞用され続けている妻飾りの彫刻を見ることができます。
 
3日目 枡組まで進みました
2016-05-28
三日目、丸柱に虹梁、斗栱、羽目板、隅木入れがされ、一部きれいに彫られた彫刻も目にすることができます。
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