本堂建立記録

   
 平成26年3月に、東日本大震災による屋根裏床下等の未調査部分の被害もふまえ、ご本堂全体の現状調査を実施いたしました。国の発表に基づき東海大震災・東南海・南海連動型地震に備え、また瓦も寿命をむかえておりますので、当初は修繕改修及び耐震施工を行う予定でございました。大手建設会社二社に調査を依頼したところ、被災部分も多数発見されましたが、それどころか耐震施工を施しても十分ではなく、その後五十年から六十年で建替えを余儀なくされる可能性があり、今後予想される大地震での倒壊の恐れさえも指摘される結果が出されました。ご本尊様をお守り頂くためにも、また当山にご法要・参拝・墓参等のためにご来寺される檀信徒の皆様の安全の確保のためにも、役員会に於いて厳粛に審議した結果、ご本堂を建替えることと決定いたしました。
 
 
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平成27年10月 助政建設(石川県)工場視察・材木検査
石川県珠洲市にある㈱助政建設の工場へ2回目の視察・材木検査に行って参りました。近くには見附島(軍艦島)が見える公園があり、とても風光明媚なところです。NHKの朝のドラマ「まれ」の舞台になった今注目の北陸地方です。
 工場に到着するとすぐ材木検査に入りました。木材を丁寧に検査し節がないか、乾燥は十分されているか、割れがないか等見ていきました。真ん中の写真は向拝を支える海老虹梁の木材検査です。海老虹梁は海老のように反った梁です。普通の梁と違って、大きな木材から贅沢な取り方をするので、特に慎重に打ち合わせが行われました。向拝とは檀信徒の皆様が来寺した際、ご本堂の前でお賽銭をあげ手を合わせる場所であり、すぐに目にすることができます。
 そしてもう一枚は、工場に木材がたくさん積まれている写真ですが、なんとこれは福寿院本堂に使用される木材の一部だそうです。これが石川県から遥々東京足立区に運ばれるというのですから、その木材の多さには驚きです。
 
平成27年10月 本堂解体工事
ご本堂の解体工事がはじまりました。この見たこともない大きなクレーン車は、なんと70tもあるそうです。早朝、福寿院駐車場入口からスイスイと入ってきました。後ろの車輪が動くそうなので小回りが利くそうです。すごいです。廃材を利用して水屋や、護摩札、記念念誦等を造る予定なので慎重に解体が始まりました。瓦屋さんの瓦おろしから始まりましたが、瓦も水屋の屋根に再利用したり、鬼瓦や獅子や牡丹の飾り瓦は庭に飾られるので、丁寧に選別しながら下ろされました。ご本堂は、正面が狭くまわりが墓地に囲まれ大型重機が入れませんので、手作業で解体し、廃材は隣接の駐車場に待機しているクレーン車で吊って運び出しました。解体屋さんも「今時手作業でこれだけの解体をした経験がない」と漏らしていました、ありがたい事です。そして骨組みだけにになった屋根は、丸ごと駐車場に吊り出し解体されました。最後は、4tの中型ショベルカーを吊り入れ、基礎の解体工事に入りました。解体工事全体で約一か月程かかりました。
 
平成27年9月28日 遷座式
佛具店の翠雲堂様により、本堂内の佛具・天蓋などすべて取り外し、梱包が終了しました。ご本尊様を仮本堂に移動する為の儀式を遷座式(せんざしき)といいます。住職の読経の中、翠雲堂の皆様、名誉住職、寺族でお焼香をし、ご本尊様を客殿奥の間の仮本堂に安置いたしました。最後にご本尊様が祀られてていた宮殿が丁寧に梱包されました。古い佛具の一部は京都で修理・修復をし、新しい本堂に安置されます。
 
平成27年9月24日 本堂内佛具梱包運び出し
解体する前に本堂内にあるすべての佛具・天蓋を取り外し、一つ一つ丁寧に梱包し、修理・修復されます。天蓋の上に付いていた龍。並べるとなんだか、かわいいですね。
 
平成27年8月 助政建設(石川県珠洲市)工場視察・原寸検査
石川県能登半島の先、珠洲市に本社がある㈱助政建設の工場へ行ってきました。
工場内には長野県木曽郡の池田木材㈱様より本堂用木材が㈱助政建設の工場に運ばれ、これから柱に加工する木材が並んでいました。また、同じ工場内の床や木材に原寸大の設計図が描かれて、その設計図に本堂の梁や、虹梁に彫刻の絵柄を当てていました。実際に見るととても大きいので驚きました。
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