4月19日にブログでご紹介致しました、仏師 渡邊宗雲師より大日如来の大まかな輪郭が出来ましたとの連絡が入り、翠雲堂の宮川さんのご案内で、住職と宗雲師の工房へ行って参りました。
私は初めてご訪問させて頂きましたが、工房にはたくさんの種類の彫刻刀がありました。「最初は檜の木材を鋸(のこぎり)で切り、原型の彫り始めは彫った木の屑が多いが、だんだん細かくなり、そして粉になり、仕上げになる頃は出なくなる。」とおっしゃっていました。そして宗雲師が取り出したこの機械はイタリア製で、大理石や石膏に彫刻する際に古くから使われている機械で、「星取り機」(ほしどりき)と呼ばれているそうです。
立体測量をする機械で、4月19日にご紹介した当山の大日如来も、この機械によって粘土原型から木材の原型へと、点(星)を付ける星取りという技法で制作されています。
まだまだ未完成で、これから細かい彫刻を施していくそうですが、とても美しい大日如来だと感じました。出来上がると、大日如来の裏側はなかなか見ることができないので、後姿をご覧頂けるのは今のうちです。
この小さなお札は大日如来様の体内に納める木札で、仕上げの時に住職が梵字を書いて納めます。
以前テレビや新聞で、平安時代の末期から鎌倉地代の初頭に活躍した仏師「運慶」の制作した大日如来が発見されたと報道されたことがあります。その仏像のX線写真を撮ると体内に真言密教の教義に基づいた五輪塔が納められていたのを見たことがあります。この大日如来が完成し、これからずっと後世に渡り福寿院に残り、檀信徒の皆様にもご信仰して頂けると思うと、胸が熱くなりました。
そして、お知らせがあります。
仏師「渡邊宗雲」師が、当山がご依頼しているこの大日如来尊像を彫る実演が、足立区郷土博物館で企画されました。
ご興味のある方は定員制ですので、どうぞお申し込み下さい。
公開講座: 伝統と保存の技術
11月27日(日)午後2時より
会場 足立区郷土博物館講堂
〒120-0001 東京都足立区大谷田5-20-1
☎03-3620-9393